top of page

【教育ブログ】対話型AI「ChatGPT」の進化と教育への可能性

「ChatGPT」という言葉・・・

最近ニュースやSNSで目にすることが多くなりました。

ChatGPTは、自然な会話ができるAIチャットサービスとして、私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらすと言われています。

昨年11月に公開され、瞬く間に1億人以上のユーザーを獲得したこのサービスが、どのような機能を持っているのか、そして将来の教育現場での活用が期待される理由について、じっくりと解説していきます。



ChatGPTの機能と特徴


ChatGPTは、高度なAI技術を駆使して、人間のように自然な会話ができるAIチャットサービスです。生成する文章の見事さや人間味のある回答がSNSなどで話題になり、リリース後わずか2か月で世界ユーザー数が1億人を突破しました。この革新的なサービスは2022年11月に公開され、無料で利用できることから、世界中の多くの人々の注目を集めています。


ChatGPTは、自然言語処理技術を用いることで、人間との対話を行うことができます。自然言語とは日常的に私たちが使う話し言葉や書き言葉のことです。つまり、自然言語処理技術とは、日常的に人が使う言葉を、コンピュータが正しく解析し、処理するための技術です。

この技術は、iPhoneに搭載されている「Siri」などの音声対話システムや、Google翻訳などの機械翻訳で、現在の日常生活でもすでに使われています。



ChatGPTの特徴 1.自然な文章を生成することができる 2.大量のデータを学習しており、高度な自然言語処理技術を持つ 3.ユーザーの入力に対して、適切な回答を返すことができる


なかでもChatGPTは、インターネットにある大量のデータを学習しており、途中の文章から続きを考えることが得意です。次はどんな言葉が来るのか、人間のデータを参照して推測することができるのです。


例えば

「今日はとてもいい天気だったので、私は___」

こんな文章があったときに、


「私は公園に行って遊びました。」 「私は家でゲームをしました。」

というように、ChatGPTは推測することができます。


そして、

「何をされたのでしょうか?」

という感じで、会話を続けることができます。



でも、実際に公園やゲームについて知っているわけではありません。「ChatGPT」はたくさんの文章を読んで勉強しているだけなので、それをもとに会話はできるけど、本当に分かっているわけではないんですね。だから、時々間違ったことやおかしなことを書くこともあります。



つまり、例えていうと、たくさんの文章で教育された「ものまねマシン」。与えられたデータに基づいて「もっともらしい文章」を生成することができるコンピュータなのです。なので、たまにでたらめな回答をすることもあるため、使い方には工夫が必要です。





GPT-4の誕生


ただ、その正確性に関しては大幅に改良されています。

2023年3月14日に上位版の「GPT-4」が公開されました。それによって、語彙力が大幅に向上し、より自然で人間らしい文章を生成できるようになっています。


さらに、GPT-4の特徴として、画像入力に対応していることが挙げられます。一般ユーザー向けにはまだ公開されていない画像入力機能ですが、GPT-4はテキストと画像をプロンプト(動作を促すコマンド)として受け入れ、それに基づいてテキスト(自然言語やコード、表など)を出力することができます。

風景や人物、乗り物などの写真だけでなく、文章や図・グラフが混ざった論文なども読み取り、理解した上でタスクを実行してくれます。




教育現場でのAI利用とその未来


このように、優れた知能を誇るChat-GPTは教育の現場でも大いに活躍が期待されています。

まるで東大生のような知識を持っていて、聞かれたことに文句を言わず、すぐに回答してくれるのですから、教育者の役割は少しずつ変わっていくように思います。


たとえば、子どもたちの質問にはAIに答えてもらうようにすれば、先生はもっと他のことに時間を使えるでしょう。やはり人間は、心に残る体験や現実の空間がなければ、十分な成長を遂げられないとも言われていますので、子どもたちがワクワクする体験をいかに作っていけるか、が教育者の存在意義になってくるように思います。


まあ今でも、教える方法には「ティーチング」「コーチング」「フィードバック」の3つがあると言われています。日本では「ティーチング」が主流ですが、これからは、子どもたちがワクワクする体験を提供する「コーチング」や「フィードバック」に変化していくように思います。


また、先生や保護者がAIを上手に活用する方法を覚え、子どもたちと一緒に学ぶ姿勢が大切ですね。キープオンでは、先日「Yononaka」というアクティブラーニングで、ChatGPTを使った授業を行いました。今後もワークショップやイベントのどこかでAIを利用し、子どもたちと一緒に使いながら学んでいける取り組みをしていく予定です。






シンギュラリティとは何か?変化する教育の在り方


シンギュラリティとは、 「AI(人工知能)が人間の知能を超える転換点」を指す言葉です。AIがとても賢くなって、自己改善や新しい技術の発明が爆発的に進む未来の時点を指します。この時点では、技術の進歩は予測不能になり、人類の歴史に大きな変化がもたらされると考えられています。


シンギュラリティが起こる仕組みの一つは、汎用人工知能(General AI)の進歩です。汎用人工知能とは、人間のように幅広いタスクをこなすことができる人工知能です。自律的に思考や学習、判断、行動ができるAIを指します。

現時点のAIサービスは、特定のタスクをこなすことができる「特化型人工知能」と言われています。ChatGPTなどの自然言語処理や画像認識など、限定された領域で高いパフォーマンスを発揮します。


自分で学んで行動できる「汎用人工知能」が将来的に実現すると、人間が想像もつかないくらい進化してしまう可能性があると言われています。

シンギュラリティの概念を最初に提唱したアメリカのレイ・カーツワイル氏は、「シンギュラリティが起きると、AIが自らより賢いAIを生み出すことができるようになり、今までの社会や常識が一変してしまうかもしれない。」と言及しています。

そのシンギュラリティの到来を「2045年」と予測しており、そこから「2045年問題」とも呼ばれています。



シンギュラリティがもたらす教育の変化


もちろん、シンギュラリティは、教育分野でも大きな影響を与えるとされています。シンギュラリティが訪れると、従来の教育システムだけでなく、教育のあり方そのものが変わる可能性があります。


教育の変化については、以下の点が挙げられます。

まず、個別化・効率化です。カリキュラムが個々の生徒に合わせてカスタマイズされるようになると考えられます。例えば、個人の学びの進行度や興味に応じて、最適な教師や教材を提案するような教育です。

そうすると、教育者の業務が効率化されるので、より多くの時間を生徒との対話や高度な教育活動に割くことができるようになります。また、AIがテストの採点や学習者の進捗管理も自動化することで、教育者はより重要な教育面に焦点を当てることができでしょう。



ではどのような教育内容になるかというと、従来の学術的な知識から、創造性や問題解決能力、批判的思考などの実践的なスキルへとシフトしていくと考えられます。例えばChatGPTを使うことで、創造的な文章を書く手助けをすることができますし、GoogleのDeepMindは、囲碁や将棋のような複雑なゲームを通じて戦略的思考力を向上させることができます。

これにより、効率的で効果的な学習経験が提供されるでしょう。また、人間中心の教育から、「人間とAIが協働する教育」へとシフトしていくともいえそうです。


シンギュラリティは教育の未来に大きな影響を与えると考えられます。ただし、AI技術の発展に伴って、倫理的な問題やデータプライバシー、AIと人間の役割分担など、さまざまな課題にも取り組む必要があります。これらの課題を解決することで、シンギュラリティが教育にポジティブな影響を与えることが期待されます。






AIと協働する未来:人間が担うべき役割とは?


ChatGPTをはじめとしたAI技術の急速な発展は、私たちの生活をこれからもっと豊かに変えていくことが期待されています。2045年問題ともいわれる「シンギュラリティの到来」を思わず意識してしまいますが、たとえAIが人間の能力を超えても、人間性を捨てる必要はなく、世界が滅亡するのは映画の中だけの話だと思います。むしろ、進化するAI技術を積極的に活用し、人間とAIが協働してより良い未来を築くことが大切だと思います。


例えば、人間の能力を高めることにおいて、AI技術が大変効果的であることがわかっています。将棋の天才、藤井聡太選手がAI将棋と練習を重ねることで強くなったのは有名な話です。チェスや囲碁、将棋のプレイヤーたちがAIと対戦し、スキルを向上させたり新たな発見をしたりすることで、毎日最高のライバルと共に成長を遂げています。


このように、人間社会のなかで「AI技術をどう使っていくか」について考える姿勢は、とても大切なことだと考えています。