6回目の授業レポートです。
こちらの動画から授業の様子を見ていただければと思います!
参加者はスタッフを入れて15名。小学生6名、中学生4名、大学生以上5名と異年齢が集まるなかで、意見を共有し合いながら進めていきました。
「起承転結」…話の作り方のキホン
今回のテーマは「プレゼンのキホン」
プレゼンをする目的は、相手に自分の思いや考えを伝えて「行動を起こしてもらう」こと。
そのためには、相手に伝わるように話を組み立てなければいけません。
「起承転結」
これが、プレゼンの目的を達成するための、話の作り方のキホンです。
プレゼン以外にも説明や昔話など、日本ではさまざまな「伝える」場面で「起承転結」が使われてきました。
学校でも「起承転結」ということばを聞いたことがある、という人が多く、 なんとなくイメージしやすかったかもしれません。
保護者のみなさまや大人の方は、子どもたちに「起承転結ってなに?」と聞かれたら説明できますか?
「起承転結」の説明を一枚にまとめたのが上の画像です。 今回は「カイシャづくり」のプレゼンがメインなので、それに合わせた内容で作成しました。
「起」…話のはじまり。ポイントは、相手が話を聴きたくなる、興味を持つように始めること。
「承」…話の中心部分。商品の説明(どんな商品か、お客さんのどんな悩みを解決できるか)。
「転」…話を変える部分。商品の弱点や自分の商品と似たものなど、別の視点からの意見を出す。
「結」…一番伝えたいこと。今回は「自分がやりたいこと」。これを魅力的に伝えることが起承転結。 各要素の説明を一行で簡単にまとめるとこんな感じです。 起承転結は、「結」をより魅力的に伝えるために物語性(ストーリー)を持たせること。
ことばで伝えるより実際に作ってもらう方が、わかりやすく伝わると感じてもらえると思います。
お題①ストーリーのつづきを考えよう(ロボットプログラミング紹介)
1つ目のワークです。ここまでで「起承転結」の説明をしてきました。
それを参考にして、あらかじめ用意したストーリーのつづきを考えてもらいます。
考えてもらうのは下の画像の「???」の部分。ロボットプログラミング(以下ロボプロ)を知らない友だちに、
興味を持ってもらえるように紹介するには、どんなストーリーで伝えたらいいか。
また、「興味を示してくれた」友だちと「興味を示してくれない」友だちという2パターンを想定します。
「起承転結」(みんなに考えてもらうのは転結)で考えてもよし、使わずに考えるもよしで考えてもらいました。
ひとことで答えられるものではないので、一人で考える時間を4分設け、いつものワークより長く時間を取りました。
それぞれ「興味あり」「興味なし」でたくさんの意見を出してくれました。
正直、ここまでうまく作れるとは思っていなかったです。みなさんごめんなさい。
授業中は普通をよそおって進行していましたが、みんなの回答を見たときはびっくりしていました。
普段の授業でロボプロに対して感じていること、悩みや難しいポイントなどをうまく「結」で解決したり、
大変さがあるからこその達成感を感じる楽しさを伝えてくれたりと、すばらしい回答ばかりでした。
自分の目線で感じている悩みや楽しさを表現して伝える力が、みんな非常に強くなっているなと感じました。
単純にロボプロを紹介されるよりも、みんなの回答で伝えられる方が興味を持てるのではないでしょうか。
「1スライド1メッセージ」…スライドの作り方のキホン
続いては、プレゼンをする際に使用する「スライド」の作り方。
プレゼンは相手に伝えて行動してもらうことが目的なので、極端な話、スライドがなくてもできます。
ただ、今回はみんなの前でプレゼンするせっかくの機会なので、スライドについても学んでほしいなと思いました。
社会人になってから、初めてプレゼン資料を作るのも大変なので、ぜひ経験として覚えてくれたらと思います。
まずは、スライドを作る前に気を付けなければいけない2つのポイント。
「情報を詰め込みすぎないこと」「難しいことばを使わないこと」の2つです。
これは日常会話でも同じですが、できるだけ短く伝えたいことを伝える力を磨いてほしいと思います。
要点をうまく掴む、かつ、だれにでもわかることばを使う。伝えるプロになるために意識してください。
そんな2つのポイントを出したのは、わかりやすいスライドを作るときに重要になってくるからです。
スライドの作り方のキホンは「1スライド1メッセージ」。
上の画像は、今回の授業で「起」について説明したスライドです。
この1スライドで伝えたいのは、「起=話の始まりで、興味を持ってもらうように作る。」というメッセージ。
さらに言えば、赤字の一行だけで、下は補足情報と考えてもらってもかまいません。
イラストは、「聴き手が興味を持つ」をイメージしやすいように加えたものです。
こうした形で、プレゼンから外れた場所で1スライドを見ても、何が言いたいかがわかる。
そんなシンプルでわかりやすい「1スライド1メッセージ」を考えながら作ってみてください。
具体と抽象
トイレ休憩をはさんで後半に入ります。
後半の始まりは「具体と抽象」について。前半の「起承転結」と「1スライド1メッセージ」の学習で、
プレゼンのキホンは、ほとんど説明できました。
ここからは、今月末に迫ったプレゼンに向けて、5月に考えてもらった「やりたいこと」をより具体的に、
実現可能な形にするためにアイデアを深めていく考え方です。
ことばの説明として、
・抽象…大きなかたまり(分類)のこと。例として「動物」や「果物」など。
・具体…抽象をより小さく分けた一つひとつのこと。例として「ライオンやヘビ」、「イチゴやブドウなど」。
どうしてこの具体と抽象の話を出したのかというと、今回の「カイシャづくり」もこの考え方が使えるからです。
5月に考えてもらった「経営者にとって大事な3つのポイント」。
「自分がやりたいこと・どんなお客さんに売るか・やりたいことでどんな「+」を与えられるか」
この「どんな「+」を与えられるか」というのは、言い換えると「企業理念」のこと。
自分はカイシャづくりを通して何を達成したいのか、お客さんにどんな喜びを与えたいかという考え方です。
そうしたときに、「やりたいこと」というのは、その理念を達成するための手段となります。
例えば、「+」が「人を楽しませる」であれば、「やりたいこと」は「ゲームや遊び、音楽」などたくさんあります。
抽象的な「自分の理念」をベースに、「やりたいこと」を具体的にイメージしてもらいたくて、この話をしました。
お題➁前回より具体的に「やりたいこと」を考えよう
この「具体と抽象」の話を踏まえて、本日2つ目のワーク。
5月に考えてもらったことはあえて出さずに、ここまで約2か月「カイシャづくり」の授業を通して感じたこと、
いまの自分が「やりたいこと」を「どんな「+」」と併せて考えてもらいました。
みんなそれぞれ悩みながら考えてくれていることがヒシヒシと伝わってきました。
「どんな「+」を与えたいか」というのが、自分から相手のことを考えたものに変わった人もいました。
「身近な人の暇とか退屈という言葉をなくす。」これも相手の立場に立って、自分がそこに提供できるものを
考えてくれたいい回答です。
「自分がやりたいこと」が実現できなさそうだな…と思ったときは、具体的な方法を考えてみてください。
形のある商品だけでなく、ゲームやプログラミングを用いれば、商品の幅はかなり広がると思います。
みんなのアイデアや考え方は、一見、突拍子もないものに思えてすごい発想で生まれています。
まだ「どんな「+」を与えたいか」、「自分がやりたいこと」のどちらかしか決まっていない人も大丈夫。
「どんな「+」」から自分がやりたい理由を掘り下げて具体的な商品の考えにつなげていく。
「やりたいこと」は何なのか、別の商品ややり方で同じ+は与えられないかといった抽象的に広げる考え方。
具体と抽象の考え方も使いながら、じっくり考えてください。
きょうのまとめ
2つ目のワークを終えて、今回の「プレゼンのキホン」はおしまいです。
ワークが2つだったので、いつもより少なかったのですが、考える内容は難しかったかな、と思います。
それでも、みんな考えたことをしっかり伝えてくれていて、5月と比べても話せる人が増えたなあとうれしく感じています。
きょうのまとめとして、学んだことを簡単に説明すると、
「起承転結」…話を作るときは、「結」を魅力的に伝えられるようなストーリーを意識すること。
「1スライド1メッセージ」…スライドを作るときは1つのスライドに詰め込まず、小さく分けて伝えること。
「具体と抽象」…大きな目的(抽象)からやりたいこと(具体)を考え、その逆(具体→抽象)でも考えを深める。
この3つは大人になってもどこかで活きてくると思うので、ぜひマスターしてみてください。
プレゼンすることについて
7/28になんでも発表会でプレゼンをするために、今回は「プレゼンのキホン」を学びました。
これらの考えを踏まえて準備しやすくなってくれたらと思って伝えたものです。
全部を使おうと思わなくても大丈夫、作るときに困ったら参考にしてください。
ここまではプレゼンのコツや技術的な話(作り方)をしてきました。
でも、どんなに技術的な話をしても、人前で発表をしたり伝えることが苦手な人もいるでしょう。
失敗したら恥ずかしい、みんなに注目されるのがなんかイヤや、などたくさんの理由があると思います。
それでもみんながこれから中学、高校、大学、社会人になっていくにつれて、
必ず発表や伝えるということをしなければならない時がきます。
そして、そのための練習をする機会は自分がやろうと思わなければ、ほとんどありません。
「カイシャづくり」でプレゼンをしてもらうのも、その機会として活用してほしいからです。
参加者みんな、緊張する気持ちがわかっているので、失敗しても恥ずかしくないし落ち込む必要もありません。
今回の参加者全員がもう一度集まってなにかのカリキュラムをする機会はたぶんないでしょう。
どうするかを選ぶのは自分次第。私たちも無理矢理やらせたりすることはありません。
いまの自分もこれからの自分も、自分の選択によって変わっていきます。
せっかく集まった第一回の「カイシャづくり」のメンバー。みんなはチームであり仲間です。
自分の殻を破るために「カイシャづくり」使ってください。スタッフ一同、困ったことがあればいつでも支えます。
最後は少し関係ない話になりましたが、プレゼンのキホンのキホンは「楽しむ」こと。
難しく考えず、自分の伝えたいことを伝えられる喜びをぜひ感じてください!
授業レポートは以上になります。
今回の自分カイシャづくり体験は「トライアル」という形で、来年以降も継続的に活動していきたいと思っております。ですので都度都度、感想やコメントをいただけますとありがたいです。それをワークに反映していきたいと思っております。
以上です。引き続きよろしくお願い致します。
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