3回目の授業レポートです。
こちらの動画から授業の様子を見ていただければと思います!
参加者はスタッフを入れて18名。小学生5名、中学生6名、高校生2名、大学生以上5名と異年齢が集まるなかで、意見を共有し合いながら進めていきました。
カイシャづくりで大事な3つのポイント
今回のテーマは「アイデアをどう伝えるか」
「自分がやりたいこと、売りたい商品」というカイシャづくりの軸となるアイデア。その考え方と伝え方について学びました。
ワークが多く大変だったかと思いますが、たくさんの意見を出してくれて非常に白熱した有意義な時間になりました。
初めに、カイシャづくり体験では「経営者を体験する」というコンセプトを改めて説明し、その上で考えてほしい3つのポイントを紹介しました。
商品を生み出す前にこの3つのポイント(以下3P)を考えてもらいます。
ただ自分がやりたいことをやるだけでなく、商品という形にしてお客さんに喜んでもらうという経営者の目線につなげていくことが目的です。
小中学生のうちから、こうした体験ができるのもカイシャづくりの特長かなと思います。
お題①やりたいと思っていること、好きなことを書き出そう
1つ目のワークです。ポイントの1つでもある「やりたいこと」を考えます。いまの段階では、カイシャや商品につなげられるか、ということは気にせず、とにかく好きなことをたくさん書き出してもらいました。
「ゲーム」に関する意見がめちゃくちゃ多かったですね。
TVゲームだけでなく、スマホやパソコンでもゲームができるようになったので、触れる機会が多くなったことも影響しているのかなと思います。他にも食べ物や趣味、自分が得意なことなども出てきました。文字だけで見ると似た意見に思えるものも一人一人の思いがあって面白かったです。
こうして他の人の意見を聞きながら「自分もそれ好き!」「あ、そういう考え方もあるのか。」など自分の考え方を広げていってもらえたら嬉しいです。
一人で考えるだけでなく、みんなで意見を出しながら考え、共有し合う。ワークならではの空気感で楽しみながら学んでくれたらと思います。
本音で伝えることの大切さ
3Pを考えるのと同じくらい大切なのが「本音を伝える」ということです。
どれだけいい商品ができても、その良さをお客さんに伝えられなければ商品は売れません。「相手に伝えること」というのが、カイシャづくりで学べるもう一つの重要な要素だと考えています。
カイシャづくりでは、「協働(一緒に働く)」をテーマに掲げています。
そのため、自分のカイシャの魅力を、お客さんだけでなく、他の参加者にも伝えなければいけません。そんなときに自分が「本当にそれをやりたい!」と思っていないと、相手にうまく伝わらない可能性があります。
学校や社会での生活では、本音を抑えて、周りに合わせることを求められる機会も多いでしょう。そこに柔軟に対応する力というのは大切です。だからこそ、カイシャづくりの場では、自分の本音をどんどんぶつけてくれたらと思っています。本音を伝えることで、商品の魅力がお客さんにわかってもらえる。協働では、参加者同士で協力したり助け合ったりできる。
本音で伝えるという体験を通して、これからの人生で柔軟さと本音を使い分けられるようになってくれたらと思います。
お題②「みんなが困っていそうなことや、悩んでいそうなことを考えよう」
続いて2つ目のワーク。世の中の困りごとや悩みごと、自分の悩みでもOK。このワークでも思いつく限りたくさん出してもらいました。小中学生ならではの悩みや普段の生活をどう感じているかがユニークに表れました。
大人になっても感じる悩みや「それ、わかるわかる」と思わずうなずいてしまうようなリアルな状況もあって盛り上がりました。
このワークで、他の人がどんなことに悩んでいるのか、その悩みは自分だけじゃないんだ、といった気付きが多くあったのではないかと思います。
この後にお題③で「+を考えよう」をやろうと思ったのですが、時間と議論が盛り上がった都合から、➁で出た悩みに対してどんな対策(+)があるかを考えてもらいました。
「宿題が終わらない」という悩みに対して、様々な対策や考えが出ました。
〇宿題が難しくて終わらない場合
①先生や親、友達に聞いて進めていく。
➁電卓やPCなど使えるものを使って自分で進める。
誰かに助けを求めるか、自力での解決を試みるか、意見が飛び交いました。①も自分の身近なものを使う(ものという言い方はちょっと悪いですが…)という見方もできます。
解決策や対策の「+」でも、考え方ひとつで、こうした広げ方ができるということです。困っていることや悩みに対して、「どんな+を提供できるか」というカイシャづくりでの発想に活かしてもらえたらと思います。
アイデアはどうしたら生まれるのか?
ここまでのワークで好きなことや悩みをたくさん出してもらいました。
悩みを解決するための「+」もお題➁で少し考えてもらいました。
3Pを中心にしたワークを活かして生み出す大切なこと。
「アイデアはどうしたら生まれるのか?」
今回、せっかくのカイシャづくりなので、いままでになかったような商品やサービスができたらいいなと思いました。
とはいえ、0から1を生み出すことは難しい。生み出すことに行き詰まるよりも、簡単なアイデアの生み出し方を使います。
それが上の画像にあるように、「元々あるものを組み合わせる」こと。
身の回りにあふれている商品やサービスは、0から1で生まれたものより、1+1(またはそれ以上)の掛け合わせで生まれたものがほとんどです。
素材を組み合わせて、新しいアイデアを生み出す。
アタマの柔らかい小中学生の方が面白い発想ができるのではないでしょうか。ワークで「たくさん書き出してください」と伝えたのもこれが目的です。素材がたくさん出ているほど、組み合わせの幅が広がる。その分面白いアイデアを作りやすいのではないかと思ったからです。
自分の「好きなこと×好きなこと」(3つ4つ掛け合わせてもOK)でびっくりするような商品を生み出してくれることを楽しみにしています。
お題③「新しい商品やサービスを考えよう」
最後のワーク。「新しい商品やサービスを考えよう」
今日のワークで出てきた素材や、これまでのカイシャづくりカリキュラムを経て、みんなはどんな商品を思い浮かべるのでしょうか。
今日はワークが多かったので、疲れているかな、と思いましたがたくさん出てきました。ワークやアイデアの生み方の話を、踏まえて素材を掛け合わせてくれたのがよかったです。
商品でなくても、「お客さんにほしいものを聞く」ためにアンケートを取るという方法も考えてくれました。2つ目のポイントである「お客さんがどんな人かを考える」につながるいい意見だなと思います。このアンケートの商品を作れば、少なくとも一人には「欲しい」と思ってもらえる商品になるわけです。「自分が作りたいもの」から「お客さんが欲しいもの」へ目線を変えることができていたのが驚きでした。
そして、このワークですが実は…
前回のYononakaで考えてもらった「いままでにない商品やサービスを考えよう」とかなり似たワークでした。ただ、ここに行きつくまでの話が異なっていたため、今回はみんなの回答に掛け合わせが生まれ、前回とは違った内容になりました。その時間に学んだことをしっかり活かして考えてくれていることが伝わってきて、話し手としても非常にうれしかったです。前回のYononaka「働くとは何か」も面白い内容ですので、よかったら見てください。
(1:13:42ごろから)
考えて整理して伝える力(ロジカルシンキング)
今回の目的は「自分がやりたいこと、売りたい商品」というカイシャづくりの軸となるアイデアの考え方と伝え方を学ぶことでした。
アイデアの考え方では、好きなことや悩みといった素材をたくさん出して、組み合わせることで面白いアイデアが生まれるという話でした。
伝え方で大切なことは本音を伝えること。カイシャづくりでは特に、自分が本当にやりたいことをやるために意識してほしいなと思います。
もう一つ、伝え方の基本として、「結論と理由をつなげて伝える」ということが大切ですという話をしてまとめにしたいと思います。(時間の都合上、駆け足になった部分なのでここで説明の代わりに記しておきます。)
「結論と理由をつなげて伝える」というのは、自分の言いたいことが相手に伝わり納得してもらう、という伝えることの目的を達成するために必要な方法です。
ワークで考えた「やりたいこと」がカイシャづくりでは「結論」です。自分はこんなカイシャをつくりたい!と相手に伝えるのが目的。
3Pの残り2つはこれを支える理由です。「自分のやりたいことは、お客さんの〇〇な悩みを解決する(+)ことができる。だからこれがやりたい。」
ただやりたいことを伝えるだけより、カイシャの商品として説得力があると思いませんか?
今日の内容、ワークのアイデア出し(素材)、整理する(組み合わせる)、伝える(結論→理由)という一連の流れを「ロジカルシンキング」といいます。
この考え方は、社会人に求められる問題解決能力やコミュニケーション能力に活かせる思考法です。
知識として勉強するのではなく、カイシャづくりでアイデアを考えたり、相手に伝えたりすることを通して、楽しみながら身に付けていってくれたらと思います。
小中学生の間から、社会人として楽しく生き抜いていく能力を身に付ける。みんながどんな商品を作ってくれるのかも楽しみですが、カリキュラムが終了するときに、成長を実感できる一助となれれば、スタッフとして非常にうれしく思います。
参加者の感想を以下に示します。
・新しいアイディアをみんなで共有するワーク。〇〇×〇〇と掛け合わすのが新鮮で楽しかったです。
・「ポケカ代行」の意見がおもしろかった。ポケカ組むの難しいからあったらたしかに嬉しいという身近な感じがした。
・働く社員の人たちだけではなく経営者の人も考えなければならないことがあるところを知りました。
・自分には考えつかない意見を言っている人がいたことが印象に残っています。
・人数が増えると意見や感想により幅があるということがわかった。まさに十人十色
授業レポートは以上になります。
今回の自分カイシャづくり体験は「トライアル」という形で、来年以降も継続的に活動していきたいと思っております。ですので都度都度、感想やコメントをいただけますとありがたいです。それをワークに反映していきたいと思っております。
次回は「自分は何キャラ?性格と価値観」です。サポーター様、保護者様のご参加もお待ちしております!聞くだけ参加でもOKです!
以上です。引き続きよろしくお願い致します。
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