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【🧠Yononaka⑭】れきし 2/26

昨年から実施していたオンラインアクティブラーニングの「よのなか科」ですが、今年度から「Yononaka」に名称変更いたしました!

先日、よのなか科提唱者の藤原和博さんに直接ご連絡して、承認いただいております。HPも一新しましたのでご一読いただけると幸いです!



2月のテーマは「れきし」

いつも参加してくれている受講生からのリクエストテーマでした!

学校の歴史授業のように何かを覚える時間ではなく、その時代を生きた人や人々の暮らしについて考える、ということを意識して、ワークを行いました。




2023/2/26「れきし」について考える


今回の参加者は14名でした。

(小学生:5名、中学生:3名、高校生:2名、大学生以上:4名)

4つのグループでワークに取り組みました。




ワーク①「イラストをみて思ったこと」


上のイラストをみて、思ったことを書き出すワークです。イラストの中で、みつけたこと、気づいたこと、考えたこと、疑問など何でもok。思い浮かんだことをそのままアウトプットしていきました。

1分間の個人ワークの後、グループに分かれて3分間意見共有を行いました。


参加者の意見



また、今回のレポートから「AIテキストマイニング」を使って、参加者の意見をAI分析しております。あわせてご覧いただけると気づきがあると思います!


青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞。出現頻度でサイズの大小を表しています。


文章中に出現する単語の出現パターンが似たものを線で結んだ図です。

出現数が多い語ほど大きく、また共起の程度が強いほど太い線で描画されます。



AI分析いかがでしょうか?

ワークの雰囲気を客観的に表すのに最適なツールだなぁと私は思いました。


また、考える時間が1分間だけとは思えない量ですね(笑)

いつも参加してくれている人も、1,2回の人も、思ったことをポンポン声に出してくれました。14人も参加するといろんな単語が出てきますし、発見も多いですね!



ワーク②「作品をみて思ったこと」

ラファエロ・サンティ「アテナイの学堂」



ワーク2も同じ要領で「作品をみて思ったこと」について考え、意見共有しました。作品の内容は何も触れず、みつけたこと、気づいたこと、考えたこと、疑問などを答えてもらいました。個人ワーク1分、グループワーク3分。


参加者の意見



青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞。 出現頻度でサイズの大小を表しています。



文章中に出現する単語の出現パターンが似たものを線で結んだ図です。 出現数が多い語ほど大きく、また共起の程度が強いほど太い線で描画されます。



ヨーロッパなどの場所、多い・にぎやかなどの状態、建物、格好、動作など、様々な視点から意見が生まれました。

疑問が出るのもいいですね!ぼんやりしたことでもつぶやく姿勢がYononakaの時間では大切だと思います。


全体共有の後に、このイラストと作品についての簡単な説明をしました。

実は同時代の人々の暮らしを描いていて、①は日本の縄文時代、②が古代ギリシアで、紀元前500年くらいの生活です。建物や服装なども見ると、ヨーロッパの方が進歩しているように思えますが、それが良いというわけではなく、環境によって生活スタイルは変わるということを伝えるために、これらを題材にしました。



ワーク③「伝説から聖徳太子の人物像を考えよう」


続いては、もっとイメージを広げて考えてもらうワークです。



聖徳太子が何をしたか、という功績は一旦置いといて、語り継がれる伝説(言い伝え)から人物像をイメージする、というワークを行いました。言葉遣いとか仕草とか。今生きてたら〇〇の仕事をやってそう。学校にいたら〇〇なキャラとか何でもokで、個人ワーク1分、グループワーク4分で実施しました。


参加者の意見



青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞。 出現頻度でサイズの大小を表しています。



文章中に出現する単語の出現パターンが似たものを線で結んだ図です。 出現数が多い語ほど大きく、また共起の程度が強いほど太い線で描画されます。



伝説からイメージを広げて様々な意見を出してもらいました。個人的には「階段から飛び降りて骨折してそう」という意見が最高でした(笑)

馬に乗って富士山を飛び越えることや、超人の伝説から自信過剰だったのでは?と考え、学校生活でそうゆうことしてそうと意見してくれました。参加者みな笑いに包まれたと同時に、唯一無二のアイデアと、その自由な発想が許容される環境が素晴らしいなぁと感心しました。

また、ポジティブな意見が多いなかで、そういったネガティブな要素を含んだ意見が出たのも良かったです。偉人・超人といえども、私たちと同じ「人間」ですので、良いところもあれば悪いところもあると思います。

私自身も、このワークを通して発見できました。そういった対象物をポジティブネガティブの両側面から見るワークも、今後やってみようかなと思っています。


ワーク③の後に伝えたことをそのまま記します。

あくまでも伝説なので本当かどうかわかりません。歴史研究者の方でも意見が分かれるところですし、多分こうだろう、としか言及されていません。

ただ、これだけ語り継がれているのだから、とにかくすごい人だったと思います。だから偉人だと、普通の人ではないと、言われ続けるんだと思います。

と考えると、その「普通の人」というのはどうゆう人なのでしょうか?普通とか当たり前ってなんだろう?

それについてワーク4で考えていきましょう。



ワーク④「普通や当たり前ってなんだろう」


人だけでなく、モノ/コトでもok。個人ワーク1分、グループワーク4分で考えていきました。


参加者の意見



青色が名詞、赤色が動詞、緑色が形容詞。 出現頻度でサイズの大小を表しています。



文章中に出現する単語の出現パターンが似たものを線で結んだ図です。 出現数が多い語ほど大きく、また共起の程度が強いほど太い線で描画されます。



サイズが大きくなっている「決める」「食べる」でも出ているのは2回だけ。それだけ色んな単語と意見が出てきました。普通・当たり前、人によって捉え方がこうも違うとは・・。このワークの意見を予想して、ワーク後のまとめで言おうとしていましたが、その必要はありませんでした。参加者が率直に「普通は人によって違う」と意見していますし、同じく俯瞰した意見(普通や当たり前のことではなく、全体を踏まえた意見)も出ていました。



ワーク⑤「動画を見て考えよう(深井龍之介さん)」



後半では、まずCOTEN RADIOのMC「深井龍之介さん」の動画を見てもらいました。コテンラジオは、国内外の歴史の面白さを学ぶ番組で、アップルのポッドキャスト1位の超人気ラジオ番組です。私も大好きで、放送分はすべて拝聴しております(笑)


この動画では、世界史の王道「古代ローマ」についての話から始まり、偉人や歴史から学ぶ意義についても話されていました。


また、コテンラジオのリスナーから「悩みが解放された」といわれるみたいです。なんでだろうって考えていくと、抱えている悩みの多くは、当たり前と自分に距離を感じている状態のことを示しているのではないかと、深井さんは気づいたようです。


以下は深井さんの著書「歴史思考」から一部抜粋します。

たとえば、今の日本社会ではお金を稼げることは「良いこと」とされていますよね。多かれ少なかれ、そこから外れている人が悩んでいるというわけなんですが、歴史を学ぶといま自分たちのまわりの常識や価値観が決して当たり前ではないことに気づけます。



たとえば、中世のヨーロッパでは稼ぐ能力はまったく評価されていませんでした。むしろ否定的に見られていたといってもいいくらいです。では社会な「偉さ」の指標はなんだったかというと、信仰心ですね。信仰心が篤い人ほど偉い、という社会だったんです。

戦乱が続いていた日本の中世なら、やはりお金を稼げる人なんかよりも、切り合いに強い人のほうが尊敬されたでしょう。「偉い人」の定義は時代や社会(環境)によって全然違うんです。

お金を稼ぐことが「良いこと」とされてきた時代は実はとても少ないんですね。


というところで、最後のワークでは、今の日本の社会で当たり前とされていることに対する疑問、「〇〇だったらいいのに・・」と思うことを書き出すワークを行いました。



ワーク⑥「当たり前に対して疑問に思うこと」


3個を目安に小さなことでもOK。個人で2分間の時間を取り、意見がまとまった順に 1人ずつ意見共有しました。


参加者の意見


参加者の意見



みなさん自分の意見を持っていて、素晴らしすぎました。できればすべ手の意見をみなさんに見てもらいたいです!(笑)

日常のささいなことから、日本社会に対しての大きな疑問までありますが、問題意識を持つという根本の姿勢は共通しています。情報があふれる現代の社会において、疑ってみること、いわゆる「批判的思考」が重要だという声が日々大きくなっています。自分・コミュニティ・国家など、あらゆる立場にとって必要な情報が異なるなか、それらの情報を取捨選択するためにも批判的思考は重要だと思います。



予定していた時間を超えるほどみなさんの熱量が大きかったので(笑)、その疑問を眺めて共通して言えることを考える、というワークはできませんでした。



自分の意見を一歩引いて考えてみることを「メタ認知」といいます。これは簡単な例ですので自分の興味が確認できる程度ですが、深く考えていくと自分のこだわりや価値観まで、メタ認知することで理解が深まると思います。その手法を、参加者に共有しました。


少し話が戻りますが、最後のワークの参加者の意見に熱量を感じました。当たり前や普通はみなそれぞれ違うし、それに対する疑問もそれぞれ、ということに気づけた時間にもなりました。この1人1人違った想いは人間たらしめるものであり、AI(人工知能)にはないことだと思っています。


というところで、次回のテーマは「AI(人工知能)」です(笑)

いま流行りのChatGPTのことも取り上げながら、複数の視点で考えていきたいと思っています。オンラインで参加無料ですので、気になった方はぜひご参加ください!



予習や事前知識は要りません。

聞くだけ参加などでもOKです。

自然体でお気軽にご参加いただけると幸いです。


日時:3/26(日) 10:30~12:00:「AI(人工知能)」



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